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2008.10.29

高山辰雄遺作展—人間の風景—

P506ic0349503803練馬区立美術館で11月3日まで開かれている「高山辰雄遺作展—人間の風景—」に出掛けた。はじめて高山辰雄の絵を見たのは、芸大美術館「大正・昭和前期の美術」の時の《砂丘》1936年。洋画とも日本画ともつかない、不思議な画面に目が止まった。そして再び目に止まったのは、ちょうど、彼が亡くなって間もなくの時。去年の夏の終り頃、東京国立近代美術館の所蔵作品展での《いただく》1977年。この二つの絵には、約30年の時の流れがある。まったく異なる画風に、最初は同じ画家が描いたものとは気付かなかった。と同時に、その画風の違いに一驚した。今回の展覧会では、彼の画業を一堂に展覧することで、高山の多様な魅力がしみじみと響いてくるようだった。

この展観で惹かれたのは、この2つ。右手でテーブルにしがみつき、ぎゅっと左手に握った食べ物をを無心に食む《少女》1949年、見つめているとまるでとろけるように船とビルの関係が不思議な感覚を呼び起こす《海と空》1989年。どちらも大胆すぎると言っていいほどの構図が印象的だった。“まるで哲学者のようである”と彼を評することばが表す通り、作品から発せられる声に静かに傾け、ゆっくりと観ることを楽しむことができた。

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