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2006.03.25

ロダンとカリエール展

17日

金曜日は八時まで開館しているといふことで、国立西洋美術館へ自転車コギコギ行ってきた。 こないだは、講演会だけ聴きに行ったので、実際に作品を観るのはこの日がはじめて。 観終わっての感想は〝美妙〟の一言につきる。 〝微妙〟でも〝ビミョー〟でも〝びみょ~〟でもなく〝美妙〟なのだ。 正直、あまり彫刻は好きではなかったが、今回の企画展で、そのなんとも言えない美しさに出会えた。 

3月15日の毎日新聞にこんな記事が載っていた。 「詩人の谷川俊太郎さんの父で哲学者、故谷川徹三さんは、『カリエール礼賛』という文章の中でこう述べた。 『その表現は微妙で、現実と超現実との不思議な交響の中に、良く心霊の奥部に参到し得ている。 (中略) 暖かい、人間愛の画家だと私は叫びたい。そしてこの人は、いつか必ず再認識され、再評価される人だと思っている』」 実際に会場で観てみると、さすが〝谷川パパ〟だと思ってしまった(笑)。

ロダンの『最後の幻影』や『ジャンヌ=ダルク』は、大理石のキラキラした表面に、あたかも浮かび上がってきたかのような優しくてやわらかな表情で、たまらない雰囲気を出していた。 そして、何か意思をもって現れているかのような気がしてならなかった。 そして、カリエールの絵は、どれも渋く、印象派のようなパンチの効いた派手さはない。 けど、そこはかとない余韻に浸れる…。 あの靄がかかったような画面は、観る者と絵を一帯にさせてくれ、こちらに余裕を与えてくれているかのようだった。

現実と超現実のハザマを行き交うことができた、とても面白い展観で驚いた。 館外へ出ると夜空にきれいな満月が浮かんでいた。 外の『地獄の門』や『カレーの市民』を観ながら、考える人を気取ってみた……。 

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コメント

こんばんは。
TBありがとうございました。

〝美妙〟とはまた上手い表現ですね。
色の限られた展覧会会場も
たまには悪くないですね。
私も金曜の夜上野によく出没しています。

投稿: Tak | 2006.03.30 23:00

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» キュレーターから教えてもらった「ロダンとカリエール展」の見所 [弐代目・青い日記帳]
今回のロダンとカリエール展を企画立案した国立西洋美術館主任研究官の大屋美那さんからこの展覧会についてのお話を伺うことが出来ました。 大屋さんのお話に私が感想も交えて書いていますので読みにくい点もあるかとは思いますが「考え」というキーワードのお話はまさに目からウロコでした。前回観に行った時はその重要なポイントを押さえることなく見逃してきてしまいました。以下まとまりのない文章ですが、これから行かれる方の参考になれば幸いです。 【カリエール】 印象派と同時代の画家でありながら一世紀も長きに渡... [続きを読む]

受信: 2006.03.30 22:58

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